“美は物体にあるのではなく、
物体と物体との作り出す陰翳のあや、明暗にある”

谷崎潤一郎、『陰翳礼讃』

concept1

光と影の彫刻:
陰翳 IN-EI ISSEY MIYAKE

光と影を生むプロダクト

古来、影(陰影)に対する独自の美意識を有する日本。「陰翳 IN-EI ISSEY MIYAKE」の研究開発では、
繊細なあかりのニュアンスを、未来に目を向けながら現代に生かす探求がなされてきました。

シェードには再生繊維

「再生素材を、いかに魅力的なものとして生かせるか」この課題に取り組むReality Lab.がシェードに選択したのは、
ペットボトル再生繊維100%の不織布(再生ポリエステル素材)でした。この素材にシワ加工を施すことで、独特の表情と
強度、堅牢性を実現しています。素材の特性により、構造体を持つことなく、躍動的な造形のシェードが自立します。

折りたたみの手法ほか、服づくりの手法を応用

ほかにもISSEY MIYAKEが培ってきた加工技術を応用し、シェードに最適な素材の検討が重ねられています。
制作過程で活かされたのは、緻密な手作業を活かしたISSEY MIYAKEの服づくりの手法です。
その一例が、不織布が重なる部分の溶着加工。折りたたみの手法においても、独自の技術が応用されています。

Reality Lab.と「陰翳 IN-EI ISSEY MIYAKE」開発プロセス

「デザイナーとしていま何をすべきか」21世紀に入り、資源や環境の問題がますます深刻になるなか、三宅一生は2007年、
Reality Lab.と名づけたプロジェクトチームを結成しました。2009年には衣服の未来、ものづくりの未来を探る
「132 5. ISSEY MIYAKE」を発表。再生繊維に改良を重ねた生地の開発、立体造形の数理を活かしたフォルムなど、
2年に及ぶリサーチと研究開発をふまえて実現された衣服のプロジェクトは、現在さらに展開されています。*

その開発プロセスから発展したのが「陰翳 IN-EI ISSEY MIYAKE」です。Reality Lab.が2009年より改良を重ねてきた
照明器具の試作をもとに、2011年11月より具体的な商品化がスタート。
アルテミデによるオリジナル灯具の実現を経て、第一弾のラインアップが完成しました。

* 132 5.ISSEY MIYAKEは東京、南青山の旗艦店をはじめ、パリ、ロンドン、ニューヨーク等のISSEY MIYAKEで販売されています。
2012年4月にはロンドンデザインミュージアムが選考する「デザイン・オブ・ザ・イヤー」にて、
ファッション部門最優秀デザイン賞に輝きました。